ダメージはどのように計算されているのか?

ダメージ計算式は、ゲームをやり込む人にとってかなり気になる項目の一つ。タクティクスオウガリボーンのダメージは一体どのように計算されているのだろうか?

これについて興味深い文書を見つけたので解説していきたい。

How Damage is Calculated in Tactics Ogre: Reborn

基本のダメージ計算式は運命の輪と同じ。そこにエレメントの要素が加わっている。

ダメージ計算の基本

まずは基本から。

タクティクスオウガリボーンのダメージは、2種類のダメージ値の合計になっている。

  1. ステータスによって計算されるダメージ
  2. ATKとDEFから計算されるダメージ

ATKは主に武器の攻撃力、DEFは装備の合計値になる。

簡易的な計算式は次の通り。

ダメージ = (攻撃側ステータス - 防御側ステータス) + (攻撃側ATK - 防御側DEF)

この記事では赤色で表記された「ステータスによって計算されるダメージ」をStat Overheadと表記する。

原文で「Stat Overhead」と記載されているのでそのまま使用。

Stat Overhead

Stat Overheadについてもう少し詳しく解説すると次のようになる。

# 物理攻撃
Stat Overhead = (攻撃側STR + 攻撃側DEX) - (防御側STR + 防御側VIT)

# 魔法攻撃
Stat Overhead = (攻撃側INT + 攻撃側MND) - (防御側MND + 防御側RES)

物理攻撃の場合は「STR・DEX・VIT」、魔法攻撃の場合は「INT・MND・RES」が影響する。

Stat Overheadは、単純に攻撃側のステータスが高くなると上昇する。レベルの低い相手に対して投石でもダメージが入るのは、このStat Overhead部分のダメージ値が高くなるのことが理由。

タクティクスオウガリボーンで高いダメージを叩き出すためには「Stat Overhead」がとても重要になる。例えば、必殺技で優位エレメントのユニットを攻撃すると「Stat Overhead」は2倍になる。ダメージ計算の際は常に意識しておきたい。

武器と防具のダメージボーナス

武器と防具には攻撃種・属性・種族値の3つのパラメータがある。これらは特定の状況において効果を発揮する。

ダメージボーナス説明
武器の攻撃種 (例:打撃15)攻撃側ステータスに倍率が乗る。打撃15なら1.15倍の補正。常に有効。
武器の属性 (例:20)攻撃側ステータスに倍率が乗る。ただし武器の属性が防御側の属性に対して有利な場合のみ。デゼールブレードはに対してのみ属性ボーナスを発揮する。
武器の種族値 (例:魔獣15)防御側が該当種族である場合、攻撃側ステータスに倍率が乗る。

攻撃種・属性・種族値は高ければ高いほど強いが、属性と種族値は特定の相手にしか効果がない。それに対し、攻撃種(打撃/切断/貫通)はすべての敵に対して効果がある。

武器は攻撃種(打撃/切断/貫通)の値が重要になる。これは防具も同じ。

『バグ』本来、切断で攻撃すると「防御側の切断に対する防御値」で計算されるのが普通。しかしバグによって「防御側の右手武器の攻撃種」が防御のダメージ計算に利用されている。例えば、攻撃側がどの武器で攻撃しても、防御側が棍(打撃)を右手に持っていれば打撃攻撃扱いになってしまう。

エレメントによる影響

タクティクスオウガリボーンのダメージ計算におけるエレメントの影響は非常に大きい。ぜひとも理解しておこう。

ユニットのエレメント

ユニットのエレメントダメージ倍率
「攻撃ユニットのエレメント」が「防御ユニットのエレメント」よりも有利な場合
(例:ユニットがユニットを攻撃)
Stat Overhead1.3倍になる。
「攻撃ユニットのエレメント」が「防御ユニットのエレメント」に対して不利な場合
(例:ユニットがユニットを攻撃)
Stat Overhead0.9倍になる。

通常攻撃のエレメント

通常攻撃のエレメントダメージ倍率
「攻撃側の武器エレメント」が「防御ユニットのエレメント」よりも有利な場合
(例:武器でユニットを攻撃)
Stat Overheadが「武器エレメントの値(%)」分上昇する。(例:20なら1.2倍)
「装備している武器のエレメント」と「装備者のエレメント」が一致している場合
(例:ユニットが武器を装備)
武器ATKが1.1倍になる。
不利な属性の武器を装備している場合
(例:ユニットが武器を装備)
武器ATKが0.7倍になる。

必殺技のエレメント

必殺技のエレメントダメージ倍率
「必殺技のエレメント」が「防御ユニットのエレメント」よりも有利な場合
(例:必殺技でユニットを攻撃)
Stat Overhead2倍になる。暗黒騎士の専用必殺技には適用されない。
「必殺技のエレメント」と「装備者のエレメント」が一致している場合
(例:ユニットが必殺技を使用)
武器と必殺技のATKが1.1倍になる。
不利な属性の必殺技を使用した場合
(例:ユニットが必殺技を使用)
武器と必殺技のATKが0.7倍になる。

必殺技で弱点エレメントを突いたときのStat Overheadボーナスは非常に強力。

呪文のエレメント

呪文のエレメントダメージ倍率
「呪文のエレメント」が「防御ユニットのエレメント」よりも有利な場合
(例:スパークスフィアでユニットを攻撃)
Stat Overheadが「装備している武器エレメントの値(%)」分上昇する。(例:20なら1.2倍)
呪文の属性と武器の属性の一致不一致は関係しない。
「呪文のエレメント」と「使用者のエレメント」が一致している場合
(例:ユニットがデッドショットを使用)
呪文のAction Value1.4倍になる。
(例:デッドショットなら、25 * 1.4 = 35 → ダメージが10増える)
不利な属性の呪文を使用した場合
(例:ユニットがライトニングボウを使用)
呪文のAction Value0.7倍になる。
(例:ライトニングボウなら、25 * 0.7 = 17 → ダメージが8減る)

魔法職が装備する武器のエレメント値は無駄にはならない。優位エレメントの魔法で攻撃するとダメージボーナスが発生する。

『バグ』魔法攻撃ユニットが「オフハンドに何も装備していない」または「両手武器を装備している」場合、武器からのボーナスが一切適用されなくなる。これには武器エレメントによるダメージボーナスも含まれる。

エレメント耐性

防具のエレメント耐性(%)はStat Overheadに対して倍率が乗る。耐性が適用される状況は以下の2つ。

エレメント耐性ダメージ倍率
「攻撃アクションのエレメント」が「防御ユニットのエレメント」よりも有利な場合
(例:エレメントのアクションでユニットを攻撃)
防御側に適用されるエレメントは、攻撃側のエレメントに対して有利なエレメント。
(攻撃アクションを受けた場合は耐性)
適用される防具のエレメント耐性は最も高いものが選ばれる。
エレメント耐性は攻撃側のダメージボーナスを打ち消す。(0以下にはならない)
「攻撃アクションのエレメント」が「防御ユニットのエレメント」に対して不利な場合
(例:エレメントのアクションでユニットを攻撃)
防御側に適用されるエレメントは、防御ユニットのエレメント
(例:ユニットなら耐性)

効果を見てもらえば分かるように「エレメント耐性」という言葉はあまり正しくない。「エレメントの力が強い」と表現したほうが適切。(水防具が水に強いわけではなく、火に強いため)

ペレグリンメイル等属性防具の説明文は正しくない。前作をそのまま引き継いでいる。

武器による通常攻撃のダメージ

ダメージ = (攻撃側ステータス - 防御側ステータス) + (攻撃側ATK * ATK倍率 - 防御側DEF * DEF倍率)

ステータス部分(攻撃側ステータスと防御側ステータス)の倍率は武器の種類によって異なる。

武器種攻撃側ステータス防御側ステータスATK倍率DEF倍率
片手剣
斧(片手)
鎚(片手)
魔道書(片手)
楽器(片手)
1.8 STR + 1.3 DEX0.7 STR + 1.0 VIT1.01.0
格闘
両手剣
斧(両手)

鎚(両手)
両手刀

魔道書(両手)
楽器(両手)
ボレアス
棍(両手?)
呪われた武具・棍
1.8 STR + 1.4 DEX0.7 STR + 1.0 VIT1.01.0
短剣
片手刀
1.5 STR + 1.6 DEX1.0 STR + 1.0 VIT1.21.0
1.0 STR + 0.6 DEX0.7 STR + 1.0 VIT1.01.0
吹矢


1.3 STR + 1.7 DEX0.7 STR + 1.0 VIT2.52.5

注目すべきは遠隔武器。ATKとDEFの倍率が高くなっている。これは(特にストーリー中において)ステータスよりも、ATK・DEFが重要になることを意味している。

防御側DEFはユニットのレベルが上がると上昇する。装備のDEFだけではないので注意。

魔法のダメージ

ダメージ = (攻撃側ステータス - 防御側ステータス) + (Action Value - 防御側DEF * DEF倍率)
魔法攻撃側ステータス防御側ステータスAction Values
(威力? 魔法ATK?)
DEF倍率
投射魔法
(例:デッドショット)
1.5 INT + 1.1 MND0.7 MND + 1.0 RES25
(デッドショット)
0.5
放射魔法
(例:トルネード)
1.3 INT + 1.0 MND0.7 MND + 1.0 RES40
(トルネード)
0.5
召喚魔法
(例:シルフィード)
1.1 INT + 0.9 MND0.7 MND + 1.0 RES100
(シルフィード)
0.5
禁呪
(例:エアリアルクライ)
1.3 INT + 1.0 MND0.7 MND + 1.0 RES115
(エアリアルクライ)
0.5

魔法ダメージを強化する場合はINTが最重要。ステータスがそれほど高くならないストーリー中ではAction Valueも重要性が高い。

被ダメを減らす場合、RESとエレメントが重要になる。魔法ダメージはDEF倍率が低く、防具では防ぎにくい。

ヒールの回復量

回復量 = キャスターのMND * 0.05 + Action Value

Action Value = 回復量 と思ってOK。

キャスターのエレメントがの場合、MNDの倍率が0.15になるが、上昇量はごく微量であるためほとんど気にする必要はない。

その他

その他効果
アタッチ系魔法による「~属性耐久アップ」該当属性のダメージを15%軽減する。
アタッチ系魔法による「~属性追加ダメージ」25%のダメージボーナス。
武器学スキル1レベルにつき+0.6ダメージ。攻撃側ステータスの計算部分に加算する。物理攻撃と魔法攻撃の両方に効果がある。
最高はレベル90(+54)
防御側にも効果がある。該当武器の攻撃を受けたとき1レベルにつき0.1防御側ステータスの計算部分に加算する。