タクティクスオウガリボーンの違いと追加要素を前作(運命の輪)と比較しながら変更点を紹介。ストーリーやステージの追加はないが、システムとゲームバランスが大幅に変更された。
リボーンの調整は批判されることが多いものの、運命の輪と比べると遥かに遊びやすくなっている。
- システムの違いと追加要素
- 魔法が着脱式になった
- 武器防具・アイテム効果の変更、クラスの調整
- スキルは習得する必要なし、レベルアップで追加されていく
- 自動発動するオートスキル
- 自動発動する魔法
- TPの廃止、必殺技はMP消費へ
- 忍術・武士舞の触媒がなくなった
- アイテム合成が大幅に改善された
- レリックとレリック強化
- ボーナスタスクの追加
- 新要素「バフカード」が追加
- オプション設定が大量に追加された
- トレーニング(演習)の追加
- ユニオンレベル(UNION LEVEL)の追加
- 経験値獲得&エレメント変更のチャームが新たに追加された
- 戦闘AIの改善
- 倍速モードの追加
- UI改善によるバトルテンポの向上
- 戦闘前に下見できる「偵察」システムの追加
- バトルデザインの変更点
- 呪文、スキル、アイテムの装備枠が4つに変更された
- 防具の装備スロットが増えた
- 装備レベルの制限が廃止された
- キャラクターの属性が復活した
- 起動予測標準搭載
- 蘇生後はすぐに行動可能、ライフは廃止
- その他の違い
- ボイス対応
- クラスチェンジのカーテン色が変更された
システムの違いと追加要素
システムの違いと追加要素について。今作では、TPの廃止・魔法の着脱方式化・チャームアイテムの追加・トレーニング(演習)の復活など大きな変更が入っている。
魔法が着脱式になった
タクティクスオウガ リボーンでは魔法が装備品と同じように着脱可能になった。前作のように呪文を覚える必要はなく、インベントリから直接装備する。付け替えも自由。
- 呪文を覚える仕様が廃止されて呪文がそのまま手に入るようになった
- 手に入れた呪文はインベントリにストックされ、装備品と同じ感覚で装着できる
- 呪文を付け替えできる
呪文を覚える手間が省けるうえ、使い回しが効く。また、今作の魔法攻撃は武器と同じようにクリティカルヒットする。魔法でノックバックも可能。
武器防具・アイテム効果の変更、クラスの調整
タクティクスオウガリボーンでは武器・防具・アイテム効果・クラスに大きな調整が入った。
上の画像を見るとカノープスに溶岩上停止可能のアイコンがついている。これは脚防具「スパークガード」の効果であるが、前作のアクティブ(使用して効果を発動する)からパッシブ(装備するだけで効果を発揮する)に変更された。
武具には新しくバトルアビリティが追加されている。
運命の輪でスキル単体として存在したパリィやカウンターは、リボーンでは武器依存になる。片手武器はパリィが多く、両手武器はカウンターが多い。魔法職が装備する棍には魔法の射程を伸ばすバトルアビリティがつく。
カウンターは挟撃に対しても発動する。1回の攻撃で「敵攻撃 → カウンター → 敵挟撃 → カウンター」のような複数行動が起こる場合もある。
その他
- 人体学や爬虫類学等の種族学スキルは廃止。魔法使用のための言語スキル(神聖魔法や暗黒魔法)も廃止。
- 説得は前作と同様、複数の種類に分かれる
- 説得したユニットの名前を変更できる
- 雇用できるユニットの総数増加(100体まで雇用可能)
- 投擲武器は廃止。アイテムスリングはスペシャルスキルになった
- 木箱など特定の障害物は非常に破壊しやすくなった(HPが減った)
- 盾バッシュのダメージが上昇
- ノックバックできない状態でノックバックすると追加ダメージが発生する
- モンスターユニットがアイテムを装備できる
- ランダムエンカウント廃止
クラスにも調整が入っている。ローグは敵専用クラスに変更されて味方としては使えなくなった。クラスの転職は前作と同様に転職証が必要。転職証が消費アイテムである点も変わらない。
スキルは習得する必要なし、レベルアップで追加されていく
スキルはレベルアップで解禁される。スキルポイントは廃止。なお、スキルの取り逃しを心配する必要はない。転職後にしっかりと追加されている。上位のスキルが解禁されると下位と入れ替わる。
武器学レベルは続投。一定値(ランク10ごと)に到達すると必殺技を習得。武器学には前作と同様に経験値があり戦闘時に使用してランクを上げることも可能。武器学は自分のレベルを超えて上がらない。
スキル選択画面も一新されて見やすくなっている。
前作ではスキル名表示で「見間違い・つけ間違い」が多かったが、今作ではアイコンで容易に識別できる。もうつけ間違えることなない。
自動発動するオートスキル
タクティクスオウガ リボーンでは「オート」という種類のスキルが追加された。オートスキルはAT開始時に自動発動するスキル。発動はランダム。
- AT開始時に自動発動する
- MPは消費しない
- 任意では発動できない
- 複数同時に発動する
- スキルによって発動確率が異なる
- アニメーションは設定で変更できる
ファランクスやバーサークなど、前作のアクションスキルはほとんどオートスキルに変更された。
オートスキルは複数同時に発動する。瞑想と精神集中を装備していると(確率次第だが)MPを回復して魔法命中率も上昇する。毎回発生アニメーションは設定で変更できる。遅い場合は変更しよう。
自動発動する魔法
前作のアタッチ系魔法は自動発動魔法として生まれ変わった。これはオートスキルと同じように、AT開始時に確率で発動する。MPを消費しない点もオートスキルと同じ。
アタッチは任意で発動できない。(魔法の選択肢に表示されない)
TPの廃止、必殺技はMP消費へ
TPは廃止。MPに統一された。
アーチャーやニンジャなど、前作でMPを持たなかったクラスにMPが追加されている。また、必殺技はMPを消費して撃つ。必殺技のアイコンに表示されている数値はMPの消費量を表す。
忍術・武士舞の触媒がなくなった
忍術と武士舞は触媒が廃止され、MP消費に変更された。竜言語魔法・屍霊術・歌舞音曲の触媒も廃止。タクティクスオウガリボーンでは、触媒が完全に廃止されている。
アイテム合成が大幅に改善された
タクティクスオウガリボーンでは複数のアイテムを一度に合成できる。合成の種類も増加。
- 通常合成
- 装備中の武具で合成
- 素材の合成
足りない素材はそのまま購入できる。
合成画面のUIもかなり改善されている。前作(運命の輪)では、レシピを選んでからそのレシピで合成できるアイテムを選択していたが、今作では武器購入画面と似たUIで合成できる。以前のようなストレスは軽減されるだろう。
レリックとレリック強化
レリックはレアアイテムの一種で、ロンバルディアやブリュンヒルド等の一品物とは異なり、複数入手することができる。アイコンの背景色は赤色。(一品物は黄色)
タクティクスオウガ リボーンでは2つのレリックを合成して強化する「レリック強化」システムが追加された。
- 合成には同種のレリックが2つ必要
- 攻撃種・エレメント・種族特効の3つが強化される(防具の場合は耐性)
- 強化できる値には上限がある
- 組み合わせを反対にしても結果は同じ
レリック強化は死者の宮殿で解禁される。解禁後は各地のショップでも合成できる。
ボーナスタスクの追加
勝利条件の他に、ボーナスタスクが登場。ボーナスタスクに設定された条件を満たすこと、EXPやアイテムが手に入る。経験値のチャームもボーナスタスクで入手する。(例:バフカードを獲得するとサンダーフレアIIを入手)
新要素「バフカード」が追加
バフカードとは、戦闘中に取得するとバフ(補助効果)を獲得するカードのこと。拾うとその戦闘時のみ、攻撃力やクリティカル率が上昇する効果を獲得する。1ユニットにつき4つまでストック可能。
- ステータスアップカードとは別物。
- そのバトル時のみ有効
- 1ユニットにつき4つまでスタック可能
- バフカードは設定でOFFにできない
- 攻撃力上昇
- クリティカル率上昇
- オートスキルの発動確率上昇
- リセット(所持しているすべてのバフカードを破棄)
バフカードは移動直後に取得する。行動終了時ではない。移動 → バフカードで攻撃力上昇 → 攻撃という行動も可能。バフカードはその戦闘中のみ効果がある。ステータスが恒久的に上昇するわけではない。AIのパターン化を防ぐ効果もあるようだ。
バフカードは原作や運命の輪で登場したタロットカードとは別物。タロットカードもしっかりと登場する。
オプション設定が大量に追加された
タクティクスオウガ リボーンでは多くの設定が追加されている。かなり細かく変更可能でプレーヤーの好みに合わせやすい。
サウンド
- マスターボリューム
- 音楽
- 環境
- エフェクト
- システム
- ボイス
- ボイスの言語設定
音量は項目ごとに自由に設定できる。キャラクターボイスが苦手な人はミュートにできる。
ゲームプレイ
- カーソル移動タイプ
- メッセージ速度
- 戦闘時の自動メッセージ
- 天候の通知
- アクションの通知
- オートスキルのアニメーション
オートスキルのアニメーションを簡略化させる設定がある。煩わしいと感じる人には嬉しい。
アシスト
- レベルアップ通知
- クラス変更時の自動装備
- 自動補充
- コインの自動売却
- チャームの使用確認
コントロール
- キーアサインやマウスの速さ・カーソルのサイズなど
ディスプレイ
- スクリーンモード
- 表示ディスプレイ
- 解像度の選択
- V-Sync
- ガンマ
- コントラスト
この他にも多数の設定が用意されている。
トレーニング(演習)の追加
原作の類似要素。前作運命の輪では廃止されたが、タクティクスオウガリボーンで復活した。名称が「トレーニング」から「演習」に変更。演習は各拠点で利用できる。
- 演習を選択すると戦闘準備画面に移る
- 偵察可能
- ユニットを選択して戦闘開始
- 演習はこちらの方が数的有利
- 演習ではユニットは死亡しない
- 演習に登場する敵ユニットは説得できない
演習は主にレベル調整用のシステム。途中参加した味方や新規雇用したキャラのレベルアップを行う。それ以外にもスキル、呪文の試し撃ちや検証にも利用できる。
演習にもボーナスタスクが存在する。獲得EXPが増加するほか、報酬として経験値チャームも手に入る。
ユニオンレベル(UNION LEVEL)の追加
タクティクスオウガ リボーンでは新たに「ユニオンレベル」というシステムが追加された。ユニオンレベルは軍団全体のレベルキャップ。
ユニオンレベルはストーリー進行で上昇する。
前作(運命の輪)では、戦闘に参加するクラス数を減らし、経験値を集めて集中的にレベルアップするがことができた。これを実行すると、ストーリー進行の敵よりも極端にレベルが高くりバランスが崩れる。ユニオンレベルはこういったプレイングへの対策になる。
ユニオンレベルは、低レベルキャラのレベリングを行う際に、意図しない味方のレベルアップを防ぐ。もちろん意図的な過剰レベルアップもできない。
経験値獲得&エレメント変更のチャームが新たに追加された
タクティクスオウガリボーンでは、消費アイテム「チャーム」が追加された。
経験値のチャームは種類によって獲得経験値が異なる。経験値を獲得するとその場でキャラクターのレベルが上がる。チャームはメニュー画面で使用する。種類は3種。
- ステータスアップのチャーム
- 経験値を獲得するチャーム
- エレメントを変更するチャーム
戦闘AIの改善
AIは一から作り直された。タクティクスオウガリボーンではスキル、アイテム、魔法の数を減らすことで、遥かに高度な計算ができるようになっている。敵の位置、障害物、落ちているアイテムもしっかりと認識する。(改善はされているが、賢くはない)
演習でAI放置しても全く問題なく敵を殲滅してくれる。
前作のAIはお世辞にも賢いとは言えなかった。乱数に頼っている部分がかなり多く、何をするのかよく分からない、何をしたいのかよく分からないというAIだった。
例えば、相手にとどめを刺せる状況で別の敵に攻撃したり、攻撃自体しなかったり。命中0の相手に対して状態異常魔法を撃ったり。空蝉を使った後にアイテムを使って打ち消すニンジャなんてのもいた。
この辺りはかなり問題だったので今作では確実に改善されたようである。AIの名称も変更されている。(鬼神の如く戦えなど)
倍速モードの追加
ユニットの行動全体を高速化する倍速モード(2倍速)が追加された。倍速モードは戦闘画面でON/OFFを切り替えできる。エフェクトとモーションが高速化するだけで、操作性は問題ない。
UI改善によるバトルテンポの向上
バトルUIが大幅に改善されて使いやすくなった。リボーンでは魔法やスキルのアイコンが表示され、識別しやすい。
また、今作では魔法・スキルの装備枠が4つになり、すべてのアクションを1箇所に表示できるようになった。これにより、行動までのボタン押下数が3 → 2に減った。(ただし、行動終了時の待機ボタンが遠い)
- リボーン:行動 → マジックリーフ
- 運命の輪:行動 → アイテム → マジックリーフ
戦闘前に下見できる「偵察」システムの追加
偵察を使うと、戦闘開始前に相手の情報を確認できる。偵察では、敵の装備・スキル・アイテムを確認可能。偵察を使えば予想外の敵に遭遇するリスクを回避できる。死者の宮殿のレアドロップ敵確認にも使える便利な機能。
バトルデザインの変更点
戦闘関連の変更点。運命の輪からの最も大きな違いは呪文、スキル、アイテムの装備枠が4つに変更されたこと。
呪文、スキル、アイテムの装備枠が4つに変更された
項目 | 今作(リボーン)の仕様 | 前作(運命の輪)の仕様 |
---|---|---|
呪文 | 装備枠4つ | 覚えている呪文がすべて表示される。使用するには該当するスキルが必要。 |
スキル | 装備枠4つ | 最大10個まで装備可能。 |
アイテム | 装備枠4つ | スキル次第で全てのアイテムにアクセス可能。スクロールが面倒。 |
装備枠の制限には3つのメリットがある。
- プレーヤー自身の取捨選択が重要になる
- 無駄な呪文を使わせないようにできる
- AIがより高度になる
無駄な呪文を使わせない
一度呪文を覚えると忘れられなかった前作(運命の輪)では、補助魔法の習得に強い抵抗があった(AIが無駄撃ちしてテンポを崩すから)。装備枠によりこの問題は解消される。付け外し自由。
AIがより高度になる
選択肢が減ったことで、運命の輪とは比べ物にならないほど高度な計算が可能になった。敵の位置・前線のライン・障害物を認識可能になり、放置しても安心して敵を殲滅してくれる。遠隔武器なしでも詰まない。(運命の輪は遠隔武器がないと詰むAIだった)
防具の装備スロットが増えた
タクティクスオウガリボーンでは防具の装備スロットが2箇所増えた。これにより、両手武器のデメリットが減少している。運命の輪では盾を装備しないときの防御力低下が大きかったが、装備スロットの増加により、両手剣装備時のDEF低下は相対的に小さくなる。
また、シリーズ装備の効果を発動させやすくなるメリットもある。
装備レベルの制限が廃止された
装備レベル制限は廃止された。手に入れた武具はすぐに使用できる。ロンバルディアもブリュンヒルドもすぐに使える。運命の輪では、装備にレベル制限があり、手に入れてもすぐには使えなかった。
ストーリー中に死者の宮殿に潜る価値も高くなる。クラスチェンジ時にレベル制限による装備解除が起こらない点もGOOD。
キャラクターの属性が復活した
キャラクターのエレメントが復活。原作では武器や魔法の属性一致ボーナスがあった。タクティクスオウガリボーンでも同じような効果がある。エレメントの効果は次の通り。
- デニムのエレメント
- 対応する属性の魔法や武具の効果を向上させる
- エレメントに強弱関係がある、有利な属性への攻撃は効果値が上昇する
デニムのエレメントは神々の加護によって決まる。キャラクターメイクの際に選択可能。
神々 | 名称 | エレメント |
---|---|---|
ハーネラ | 風 | |
バーサ | 土 | |
ネッサロー | 雷 | |
グルーザ | 水 | |
ゾショネル | 炎 | |
リューネラム | 氷 |
前作運命の輪ではキャラクターエレメントは存在しない。属性耐性ダウンやフィールドエレメントの関係から、戦略的にはパーティー全体で属性を統一する方がエレメントの恩恵を受けやすかった。
エレメントの強弱に関しては運命の輪でも存在したが、光と闇しか機能していなかった。
起動予測標準搭載
スキルなしで飛び道具の起動が表示されるようになった。運命の輪では弓やボウガン、投射魔法の起動が表示されず、外したり味方に当たることが多かった。
蘇生後はすぐに行動可能、ライフは廃止
ユニットは蘇生後すぐに行動できる。即座に回復できるので「蘇生したがすぐに倒さてしまった」という事態を防ぐことができる。
これに伴って前作(運命の輪)のライフは廃止された。ライフとは死亡までの猶予のこと。運命の輪で追加された要素で戦闘不能になって3ターン経過すると戦闘から離脱してライフが1減る。3つあるライフが0になるとキャラは死亡する。
今作では戦闘不能から3ターン経過すると、ユニットはそのまま死亡する。
その他の違い
- ボイス対応
- クラスチェンジのカーテンの色が変わった
- アポカリプスでレベルダウン可能
ボイス対応
カットシーンがフルボイス対応された。ストーリー中の会話を音声で聞ける。ボイスの音量は設定で変更できる。キャラクターボイスが苦手な人はミュート可能。
個人的に海外ゲームをプレイするときは音声が非常にありがたい。日本語では気にしたことはないが、おそらく識別力は同じように上がるのではないかと思う。ゲーム自体も違った印象を受けそうだ。
クラスチェンジのカーテン色が変更された
クラスチェンジするときに登場するカーテン。このカーテンの色が青色に変更された。前作は赤色だった。