
S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobylの生態系システム「A-Life 2.0」について解説。現状では問題が多いものの、今後のアップデートを通して改善していくと明言されている。
A-Life 2.0
A-Lifeは「AI Life」の略。A-Life 2.0は、NPCの行動をAIに任せることでゾーン内に、人間とミュータントが共存する生態系を作り出すことを目的としている。
過去のタイトル『Call of Pripyat』や『Shadow of Chernobyl』では、沼地の高所に登ると、無作為にパトロールしているバンディットたちが好き勝手やっている様子や、一人で孤独に過ごしているローナー、たまたま遭遇して壮絶な銃撃戦を繰り広げるデューティーとフリーダムの兵士たちを見ることができた。(参照:Reddit:What is a A life 2.0?)
パッチ1.1で大幅に改善された
パッチ1.1以前は、NPCのスポーン距離がプレイヤーから近すぎることが大きな問題点だった。近くにNPCが出現するせいで、多くの人は、AIではなく意図的なスクリプトによってシステムが制御されていると錯覚し、A-Lifeが機能していないと思い込んでしまっていた。
このA-Lifeの問題点は「パッチ1.1」で大幅に改善された。このアップデートにより、NPCはプレイヤーの背後にスポーンしなくなり、A-Life NPCを視認できる距離が大幅に拡張された。これにより、プレイヤーは、NPC と同じ方向に進むことで、以前に出会った A-Life NPCに遭遇する機会が得られるようになった。
- A-Life NPCがプレイヤーの背後に湧かなくなった
- A-Life NPCの描画距離が大幅に拡大された
- A-Life NPCの領土拡大への意欲と、敵やミュータントへの積極的な攻撃性が強化された
- A-Life NPCの数が増加し、出会う機会が大幅に増えた
- NPCが関与する行動において、オフラインとオンラインの間でシームレスな移行を確保するための状況対応行動が改善された
- ゾーンを探索するグループが、所属派閥やグループサイズにおいてより多様化した
過去の話
A-Life 2.0が機能不全に陥ったのは、発売直前のアグレッシブなパフォーマンス最適化が原因であるとインタビューで述べられている。
IGNのインタビューにおける開発者(GSCのCEO、Ievgen Grygorovych氏とクリエイティブディレクターのMaria Grygorovych氏)の話によると、ゲーム発売の1カ月前、ゲームパフォーマンスを最適化するために奮闘した結果、A-Life 2.0が正常に機能しなくなったという。
発売が迫る中、最適化の問題により、A-Life 2.0が機能するプレイヤー周囲のエリアを縮小する必要があった。本来その距離はプレイヤーが視認できる範囲をはるかに超える広がりを持つはずだったが、PCとXBOX Series X/Sの両方に適切なパフォーマンスを設定するうえで、結果的に距離を短くせざるを得なかったようだ。
A-Life 2.0を正常に動作させるには、より広いエリアでNPCをスポーンさせる必要があり、それには非常に多くのメモリが必要になると、Grygorovych氏はインタビューで述べている。時間が逼迫する中でゲームのパフォーマンスを向上させるには、A-Life 2.0の広域シミュレーションを犠牲にするしかなかったことがうかがえる。
A-Life 2.0は直るのか?
真の科学者に不可能はない。未解決の問題があるだけだ。
ヴァレンティン・ダリン
開発者は現在、A-Life 2.0の改善に取り組んでおり、将来的なアップデートを通じて修正を進めることを明言している。具体的には、バグの修正や最適化、リソースの割り当て拡大などを行い、システムが正確に動作するよう調整し、その後、さらに高度な仕組みへと発展させるべく努力を続けるとのこと。