KCD1とKCD2の違いを解説【どちらもおすすめ】

キングダムカム・デリバランス

キングダムカム・デリバランスの1作目と2作目の違いを解説。

2作品の違い

KCD1とKCD2のヘンリーの違い

KCD1は良くも悪くもハードコアな部分が多い。KCD2はより一般受けしやすいよう、リアルに寄りすぎた部分やQOL(遊びやすさ)が改善されている。

KCD1のコアシステムの多くはKCD2にも引き継がれている。2作目ではそれらがより洗練され、遊びやすく改善された。戦闘システムはよりシンプルになり、ゲームシステムを解説するチュートリアルも分かりやすく整備されている。そのため、KCD1が好きならKCD2をプレイしない理由はほとんどない。たとえKCD1が合わなかった人でも、遊びやすく改善されたKCD2は試してみる価値がある。

グラフィック

グラフィックはKCD2のほうが遥かに綺麗。

KCD1の発売は2018年2月、KCD2の発売は2025年2月。発売当時、KCD1は最高クラスのグラフィックを持っていた。中世の田園風景は今見ても美しいが、7年経過した現在では少し粗が目立つようになった。7年の間にグラフィックは大幅に改善されている。

UIは好みが分かれるかもしれない。個人的には、タブの切り替えがもっさりして遅いKCD2のインベントリより、シンプルで素早いKCD1の方が使いやすいと感じる。

ヘンリーの見た目

KCD2のヘンリーは、KCD1から大きく見た目が調整されている。特に目の間隔が狭まり、表情が引き締まったことで、より精悍な印象になった。他のキャラクターについては、テレーザのようにほとんど変わっていない人物もいれば、誰なのか判別できないほど大きく変化した者もいる。総じて見ると、NPCの見た目は改善されている。

ヘンリーの初期ステータス

ゲーム開始時点で教育や訓練をまったく受けていなかったKCD1と比べると、KCD2のヘンリーは最初からある程度の能力値を持っている。訓練を受けなくても文字が読めるほか、スリも実行できるし、弓も扱うことができる。

戦闘の難易度

戦闘の難易度はかなり顕著な差がある。一般的にKCD1の方が難しい。

KCD2では、複数の敵と戦っても相手はあまり積極的に攻撃してこない。しかし、KCD1で2人以上を同時に相手にすると、側面や背面に回り込まれてボコボコにされる。敵はロックが外れた瞬間にダッシュして攻撃してくるのが当たり前。非常にアグレッシブで、まったく手加減してくれない超リアルな戦闘となっている。

マスターストライク

KCD1ではすべての武器でマスターストライクが使える。KCD2では、剣のみマスターストライクが使える。発動条件にも違いがあり、KCD2では攻撃方向を調整することで、相手にマスターストライクを使わせないよう立ち回ることが可能となった。

マスターストライクKCD1KCD2
使える武器すべて剣のみ
発動条件特定のタイミングでパーフェクトブロックするパーフェクトブロックのタイミングで「敵が攻撃してきた方向と反対の方向」へ攻撃する

プレートアーマー

KCD2では、フルプレートの敵に対してもマスターストライクやコンボを用いれば貫通ダメージを与えられる。しかし、KCD1ではそうはいかない。実際のプレートアーマーが剣撃に非常に強いのと同様に、KCD1でもフルプレートを着た騎士に剣で有効なダメージを与えるのは難しい。そのため、KCD1ではメイスが重要な武器となる。

錬金

KCD2では、分かりやすいチュートリアルが用意されたことと、大釜を上げ下げして茹でる時間を正確に調整するように仕様変更されたおかげで、初めての人でも錬金を理解しやすくなった。その反面、自動醸造のパークは削除されている。

KCD1

ふいごで沸騰を調整して大釜を煮込む。ふいごの回数と沸騰ターンの仕様を理解するまで煮込む時間の調整が難しい。しかし、上げ下げの手間がないため、慣れるとKCD2よりも気楽に作れる。

KCD2

大釜を上げ下げして茹でる時間を調整する。この方法は初めての人でも理解しやすい。KCD2では、材料が合っていればレシピを無視しても最低限のポーションが出来上がる。

犯罪関連

KCD2では、NPCがよりシビアにヘンリーの犯罪を検知するようになった。NPCの自宅からアイテムを盗み、その人物の前で装備すると確実にバレる。この部分はKCD1より、KCD2の方がリアルである。

遊びやすさの改善

KCD2では、さまざまな場面でQoLが改善されている。

  • ウサギアイコンにより隠密の状態を把握できるようになった
  • 石でNPCの注意を引く(ステルスシステムの強化)
  • 錬金や鍛冶など、実際に操作する分かりやすいチュートリアルが追加された
  • コントローラー操作がモダンなボタン配置に改善された
  • フォトモードの追加

KCD1を遊ぶべきか?

KCD1

KCD2を先に遊んで面白いと思ったなら、KCD1をぜひプレイして欲しい。

KCD1はヘンリーの始まりの物語。ヘンリーの故郷スカリッツでの生活や、そこで起きた襲撃事件の詳細、登場人物の背景と関係性、マットとの出会い、イストヴァンとの確執、ゴドウィンが追放された原因、ヘンリーとハンスがトロスキーへ向かった理由、続編に繋がる細かな伏線など、KCD2のベースとなる物語が深く描かれている。

キングダムカム・デリバランスは、当時はまだ小さかったチェコのゲーム会社「Warhorse Studios」が、2014年にKickstarterで資金を集めて作った。開発当初からリアル路線を目指しており、革新的な戦闘システムや中世を忠実に再現した景観をうたっていた。最初は30人程度しかいなかったスタジオのゲームが、これほど大きな作品に仕上がったのは、本当に奇跡と言える。

小さなスタジオのデビュー作で、少し粗削りな部分はあるが、KCD1の「ハードコアなバランス」はよりコアなファンを引きつける不思議な魅力がある。

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